

空中で本を手離すと、本は床に落ちていきます。塩を水に入れると、とけて見えなくなります。アゲハチョウは卵から生まれ、幼虫・成虫の期間を経て、羽を広げた成虫になります。こうした世の中の「当たり前」を身に着けていくのが理科の学習です。数や言葉などとは違い、世の中をつくったのは人間ではありません。にもかかわらず、本が落ちたり、塩がとけたり、チョウが変身したりすることを「当たり前」だと予測できてしまうところに理科の不思議さがあります。
理科では、世の中を「モデル化」します。頭の中や紙の上に世の中を再現して、物事が当たり前のように従うルール(法則)を見出します。モデル化をするといろいろなことができるようになります。まず、世の中で起こること・起きたことを推測できるようになり、自分にとって嫌なことから逃れられるようになります。さらに、法則を活用すれば、人間の手でも新しい何かを生み出すことができるようになります。
子供たちが理科を学習する目的は、世の中の見方を変え、過ぎ去った過去やまだ見ぬ未来を思い描き、よりよい自分・よりよい社会を実現する術を身に着けるためです。音楽・スポーツ・家のお手伝い・勉強・その他いかなることにおいても、こうなりたいな/こうはなりたくないなという望みを叶えるためには何をすればよいのか。理科の学習は、その答えを示してくれます。

世の中をモデル化するときには、大きく「生き物」と「それ以外」とに分けます。生き物をモデル化するのが生物学で、生き物を取り囲む世界をモデル化するのが地学です。そして、生き物やその周囲の世界が何でできているか(元素)を考えるのが化学で、それらが従う根源的な法則(力と運動の関係)を学ぶのが物理学です。さらには、自然から学んだことを利用して、人々の夢を叶えるためのものづくりを学ぶのが工学です。
もっとシンプルに言えば、理科とは「物事を分解して、別の物事との共通点や相違点を見つける学問」です。例えば、理科の考え方を使ってサッカーがうまくなりたいならば、まずは走り方・ボールの蹴り方・ポジションのとり方・相手のだまし方など、サッカーをする自分をいくつかの要素に分解します。次に、サッカーがうまい人をモデルにして、なぜうまいのかをよく観察します。自分とモデルを比べて、同じ部分や違う部分を見つけることです。
違う部分を見つけたら、それを自分でも真似してみて、本当にサッカーがうまくなったかどうかを確かめます。理科ではこの作業を実験と呼びます。大事なことは、いろいろなものを一気に変えるのではなく、1つずつ変えることです。変えるものによって上達の具合が大きく違うでしょうし、中には全く上達につながらないものもあるかもしれません。そうした1つ1つの積み重ねを続けていけば、効率よく着実にサッカーを上達させられるでしょう。
何も考えずに走ったりボールを蹴ったりするだけではなかなかサッカーが上達しないのと同じように、字面だけで理科のテキストの内容を丸暗記してしまうのでは理科を習得したことにはなりません。テキストの模式図やグラフにある内容が、現実世界の何をどのようにモデル化しているのかを認識できていなければいけません。

理科で学ぶ物事は多岐にわたります。理科ができる人は、なぜそれら全てを理解することができるのか。その答えは、「当然そうなるだろう」と思えることが多いからです。すなわち、数多くの物事の知識を記憶しているのではなく、何が起こるか、なぜそうなるかという問いに答える限られた法則を理解しているからです。
効率よく理科を学ぶ上で大事な3つのことを挙げます。
1つ目は、何よりもまず物理学や化学の法則から学び始めることです。気象学を学ぶ前に、空気や水の物性を学びます。天文学を学ぶ前に、重力と運動を学びます。生理学を学ぶ前に、化学結合や化学反応を学びます。身近な法則を先に学んでおくことで、それらを応用できる分野の理解がぐっと進みます。また、暗記の多い化学の内容も、周期表の読み方・使い方を習得してからであれば、論理立てて記憶をすることができるようになります。
では、物理学や化学を学ぶコツは何でしょうか。大事なことの2つ目は、人工物を理解することです。生き物や岩石などの天然物と比べて、はっきりとした目的に応じてつくられた人工物はずっと単純で効率的なつくりをしています。そのため、理科で学習する内容と一対一で結びつけることのできる好例となります。他にも、人々や身近な動物による生きるための「知恵」も、法則を理解するための好例となります。
しかし、物理学や化学の法則をもってしても説明が難しいことがあります。それは、生き物の生態や世の中の構造が今ある形に出来上がった背景です。そこで、大事なことの3つ目は、地球史・生物史をストーリー仕立てで記憶することです。葉っぱ1枚すら作れないほど、生命については分かっていないことが多いです。しかし、歴史をたどることで細胞レベルでから生物の進化を考えられるようになり、なぜ地球環境や生物が今ある形になっていったのかが関連付けて分かるようになります。
以上のメソッドを基に、無学年生の高木塾の理科では独自のカリキュラムを設計しています。世間では、まず暗記をしようという風潮が見られます。確かに瞬間的な成果は出ますが、法則に基づく解釈がなければ入試問題を突破することはできず、また一から整理し直さなければいけなくなってしまいます。暗記のできる頭をつくることが先です。そして、正しい暗記作業は法則の理解を深めます。

高木塾の理科は、中学入試にも高校入試にも対応しています。中学入試の問題では、様々な物事が取り上げられます。膨大な量の暗記を求められているかのようにも見えますが、実のところは物理学・化学の法則と地球史・生物史を理解していれば対応が可能なものばかりです。対照的に、高校入試の問題では、例年同じようなテーマを題材として理論的な説明を求めるような傾向があります。テーマが絞られている分だけ対策はしやすいですが、様々な物事に理論を適用する機会に乏しく無味乾燥な学習につながりやすいです。理論と事例の双方をバランスよく融合した高木塾のメソッドだからこそ、広く理科が得意な生徒を育成します。
中学理科で扱われる化学式や遺伝の法則などは、小学生が学んでも何ら難しいものではありません。むしろ、これらの理論は、気体や水溶液の物性、生物の分類や特徴を暗記するための土台になります。また、理論が分かっていれば、それらを発展させた問いに対しても「当たり前」の考え方を用いて挑めるようになります。高木塾では、小学生や中学生の学年を問わず、誰でも1年で理科の全体像を学び、理科をもっと好きになることのできる授業を展開しています。

高木塾では、春期・夏期・冬期にそれぞれ季節講習会を実施しています。例年、理科社会のクラスは人気を博しており、幅広い学年の生徒たちが短期間で理科社会の楽しさを習得しています。講習会のたびにテーマは異なります。以下は、いずれも人気を博した講習会クラスの実施例です。
理科の講習会 実施例
・目指せ植物博士! 植物の戦略を学ぼう
・神谷式 理科実験・研究教室
・ノーベル賞から学ぶ理科の面白さ
・東大入試から学ぶ化学の極意

博物館や大学の学術展示は、学習への意欲を高める上でとても有効的な存在です。高木塾では、学校や塾の授業がない日に合わせて、課外学習ツアーを敢行しています。学校や高木塾では得られない実体験に、学びを愛する講師による解説を加えることで、生徒の学習意欲を高める効果を最大限まで引き伸ばします。
課外学習ツアー これまでの実施回
・国立科学博物館ツアー・・・上野にある、日本を代表する歴史ある博物館です。全てを巡ろうとすると1日はかかるほどの展示エリアの中から生徒が最も楽しめるコースを厳選し、3時間のツアーで講師が解説をしながら回ります。
・科学技術館ツアー・・・日本武道館の近くにある、産業技術などをテーマに企業が協力して展示を行う博物館です。案内する講師が、館内に用意された解説以上の話を繰り広げます。見て触れて楽しいさまざまな展示物について、その技術がどのように優れているか、身のまわりのどのような産業で生かされているかを知ると、世界の見え方ががらっと変わります。
・日本科学未来館ツアー・・・江東区の人工島にある博物館です。地球や宇宙についての目を見張るような展示があるほか、未来を創る技術を芸術と融合したようなユニークな展示も豊富です。2023年の特別展では、未来の月の開発について展示の見どころや開発の肝となる理論や課題を講師が解説しました。
・東京大学 五月祭ツアー・・・東京大学本郷キャンパスで毎年10万人以上を動員する学園祭にて、例年ツアーを敢行しています(写真は五月祭ツアーのもの)。普段は研究者どうしで議論される難解な最先端の学術テーマについて、こどもたちでも楽しめるように企画された貴重なイベントです。現役の東大生に対して気軽に質問をする機会でもあり、毎年多くの生徒が「東大に行きたくなった!」という感動とやる気を持ち帰ります。


対象目安:小4から中3、社会クラスとセット
高木塾オリジナルの、小学生でも身に着けられるレベルでの物理・化学・地球生物史の正しい理論の解説を行い、身近な事物・現象を理科の視点で捉える作法を伝授します。そこから拡張して、生物(動植物・人体・生態系)、地学(気象、地震火山、天文)の知識の論理的把握術を伝授します。